少年事件について

未成年である少年が刑事罰相当の事件を犯した場合,少年審判にかけられる事になります。(刑事裁判を受ける場合も例外としてあります。)

刑事事件の一つではありますが,成人の刑事事件とは様々な違いがあります。

最も大きな違いは,少年事件では「保護主義」がとられており,刑罰を科すことではなく,少年の健全な育成が目的とされていることです。

精神的に未成熟である少年は,留置施設での生活や捜査員からの取り調べ・対応に耐えられず,また捜査員の誘導などの要因で事実と違った不利な自白をしてしまう事も多々あります。

少年にとって不利な状況や不安な気持ちを早い段階から取り除くためにも,刑事事件同様,一刻も早く弁護士を付ける事が重要となってきます。

以下,簡単に少年事件の流れをお示しします。

1 捜査段階

捜査段階では,被疑者が少年であっても,成人と同じように刑事訴訟法が適用されるため,弁護活動は,基本的には成人の場合と同じです。

ただ,少年事件の場合は,身体拘束については,「勾留に代わる観護措置」(10日間のみで延長なし。場所は少年鑑別所のみ)という方法がとられたり,通常の「勾留」であっても,場所が少年鑑別所に指定されることがあります。

少年の場合は,まだ子どものため,誘導されやすかったり,捜査機関に対して,自分の主張がうまく言えないなどの特徴があるので,この点には注意が必要です。

2 家裁送致後 (観護措置)

少年事件は,すべて家庭裁判所に送致され,観護措置(通常は4週間)が取られることがあります。

観護措置決定が出されると,少年は,少年鑑別所で,その心身の状態や資質について鑑別を受け,行動観察などがなされることになります。

また,この間に,家庭裁判所の調査官が,少年や保護者と面会したり,学校や被害者に文書で照会をしたりして,調査を進めていきます。

弁護士は,家裁送致後は,弁護人から「付添人」となり,少年と面会したり,保護者の方々と話し合ったりして,少年の問題性を探り,家族関係や就業先の調整など,少年の更生に向けた環境調整を行っていくことになります。

3 少年審判

少年の「非行事実」と「要保護性」を審理します。要保護性とは,難しい言葉ですが,(1)少年が将来再び非行にはしる危険性があること,(2)矯正教育によって,再非行の危険性を除去できる可能性があること,(3)保護処分による保護を与えることが最も有効かつ適切な処遇であることが認められることを指しています。

少年審判では職権主義が採用されているため,実際の審判では,裁判官が少年に直接話しかけ,質問しながら進めていく形になり,裁判官の個性や経験が強く表れます。

ただ,その中でも,付添人からの質問という形で,少年が内側に抱えて伝えられずにいる思いを審判の場で話させたり,保護者に質問の水を向けることで,その思いを話していただいたりするなど,当事者側の視点が審判に取り込まれるように配慮します。

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